2008年11月8日土曜日

11/8 Today コルテス、アステカ王国に向けて進軍開始 (1519)

1519 年のこの日、メキシコにたどり着いたコルテス軍はいよいよ湖上に浮かぶアステカの首都テノチティトランに向け進軍を開始する。兵員わずか300人。アステカ軍は優に数万を超える。コルテスは乗ってきた11艘の船をベラクルスの海岸で焼きはらい、自ら退路を断って全員に決死の覚悟を示す。

侵攻はいったん成功し、アステカ王を人質に取るものの、アステカ人は直ちに別の王様を擁立し数万の軍勢で逆にコルテス軍をテノチティトランに包囲してしまう。絶体絶命。コルテス軍は多くの被害を出しながら、信じられないような精神力で血路を切り開き脱出。体制を整え再び反撃に出る。この経緯はベルナール・ディアス『コルテス従軍記』に詳しい。

Amazon.com: The Conquest of New Spain (Penguin Classics): Bernal Diaz del Castillo, John M. Cohen: Books


当時のスペインは上り坂にありスペイン軍はめちゃ強かった。ヨーロッパでもスペイン騎兵一騎は普通のヨーロッパの歩兵100人分の戦闘力を持つとして軍事バランスが計算されたぐらいだ。

コルテス軍は、結果としてアステカ文明を破壊し尽くしたんだけど、アステカ文明とは宗教行事として連日集団殺戮を繰り返す怖い文明であったことも事実。毎朝ピラミッドの上で人間の生け贄を捧げないと太陽が昇ってこないと信じてた。時には一日に数千人の生け贄を捧げたというからすごい。生け贄が足らなくなると戦争して捕虜を捕まえるのだから、たまったものではない。

昨今、文化のグローバリゼーションに反対し、固有のへんてこりんな「文化」を死守したいとする人たちの考えもわからんでもないけど、アステカ文明がグローバル化に抵抗していまも残っていたらまわりの人はとても困ったことになっていただろう。いつの時代でも変なのは居るのです。温和しく「淘汰」されてくれた方が、世のため人のため。

古代アステカ王国―征服された黄金の国 (中公新書 6)


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